コラム

2019/07/19

世界に通じる夢の扉(東京・KK)

世界に通じる夢の扉


▼「この道は世界につづくゆめとびら」。これは国土交通省が募集した本年度の「道路ふれあい月間」推進標語で、小学生の部の最優秀賞に輝いた作品だ。普段から使っている道を見て、世界に続くと考えた感性が高く評価された。大人には何でもない道路でも、子どもには無限の可能性を感じる「ロード」に見えたのかもしれない


▼プロスポーツの世界では近年、海外に挑戦する日本の若者が相次いでいる。アメリカのメジャーリーグベースボールやプロバスケットボールリーグ、サッカーではヨーロッパの名門クラブと契約する選手が増えてきた。世界は急速に身近になり、憧れから挑戦する対象に変わっている


▼建設業界でも官民挙げて質の高いインフラを海外展開する取り組みが進む。ハード整備だけでなく、ソフト対策でも日本の技術力が世界で役立っている。例えばインドネシア中部スラウェシ島で発生した地震の復興計画立案には、国土交通省出身の技術者が大きな役割を果たした。東日本大震災をはじめとする大規模災害からの復旧・復興で得た防災分野の知見が世界で生かされている例は多い


▼海外に行かなくとも、日本にいながら世界の取り組みに挑戦することはできる。アメリカでは建設職人の地位や処遇が日本とは大きく異なり、年収が手取りで1500万円を超える職人も珍しくない。建設業全体の賃金水準が製造業よりも高く、憧れの職業になっている


▼先人が築き上げた歴史や伝統はもちろん大切。だが次世代の子どもたちは、今後進むであろう未来を見ている。次世代が目指す「ゆめとびら」の入口は現役世代が用意してあげたい。(東京・KK)


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