コラム

2019/07/26

大人の「イヤイヤ」(山梨・OS)

大人の「イヤイヤ」


▼子育て奮闘中の知り合いの女性が疲れていた。聞けば子どもの「イヤイヤ期」に困っているという。何をするにもまず「イヤ」とそっぽを向く。言うことを聞いてもらうのに一苦労だとため息


▼育児書によると、イヤイヤ期は自我が芽生え始めた証拠。初期対応としては子どもの気持ちを受け止めることが大切だという。もし希望をかなえてあげられない場合は、その理由を伝え、代替案を考えてあげる。大変だが根気強く「一人の人間」として向き合うことだ


▼大人でも「イヤ」が口癖の人がいる。ただ子どものそれとは意味が違い、相手の意見に対しすぐに否定から入る人のこと。臨床心理士によると、そうした人は固定観念が強く頑固な性格。空気を読んで周りに合わせることができず自己肯定感を大切にする。包容力に欠け、自分が上に立って仕切りたがるタイプに多いという。随分な言われようだが、確かに「イヤ」を連発する人に良いイメージは湧かなそうだ


▼建設現場の取材で管理者に安全を守る上で重要な事柄を聞いた。すると何人かから同じ答えが返ってきた。「まず一緒に働く人たちとのコミュニケーションを大切にすること」。どんな素晴らしい安全対策も実行して初めて効果がある。ギスギスした関係の中でいくら丁寧に指導しても実効性は低いという


▼千差万別、十人十色。「正しい」「常識」「こうすべき」は人によって異なる。故にどんな意見もまずはその考えを受け入れることが円滑なコミュニケーションには大切。「イヤ」が多い人はまずはそれを封印。現場では“空気感”を大切にして良い仕事につなげたい。(山梨・OS)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら