コラム

2019/08/03

がんばれピクトさん(群馬・YT)

がんばれピクトさん


▼「足元にご注意ください」という看板に描かれている滑って転びかけている人のシルエット。思い返せば、エスカレーターに乗れば手すりから乗り出して頭をぶつけ、扉では手を挟まれた痛々しい姿をさまざまな場所で見かける。いろいろな場所で被害に遭っている彼・彼女の名前はピクトグラム。外出時には必ずといっていいほど、どこかに描かれている。文字ではなく絵で情報を表し、分かりやすく注意を促す存在だ


▼日本では1964年の東京オリンピックで使われたことをきっかけに定着が始まったという。時は流れ2020年には再度東京でオリンピックが開かれる。前回と今回で使われた、競技を示すピクトグラムはさらに分かりやすく、見やすくなっており進化が感じられる


▼歴代のオリンピックで使われたものには国ごとの特徴が盛り込まれている。特に08年の北京オリンピックでは、中国古代の文字である篆書体(てんしょ)風に競技がデザインされており、少し整えれば漢字として使えそうな完成度だ


▼簡単で一目見ただけで情報を伝えることができ、文字の読めない子どもなどにも注意を促せるという点で非常に優れているピクトグラム。だからこそ、日常のさまざまな場面で活躍しているのだろう


▼工事現場にも転落注意・つまづき注意などピクトグラムが多く掲示されている。労働災害の撲滅を目指して現場に潜む危険をその身をもって示してくれているピクトさん。その姿はどこかユーモラスだが、起きてしまった際の被害は計り知れない。率先して危険性を伝えてくれているピクトさんには「がんばれ」の言葉を伝えたい。(群馬・YT)


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