コラム

2019/08/28

ことしこそ災害ゼロに(茨城・TT)

ことしこそ災害ゼロに


▼建設業界の労働災害(休業4日以上の死傷災害)は、2018年に1万5374人が被害に遭い、このうち死亡者は309人。1961年をピークに建設業界の労働災害は減少傾向にあるが、業種別では最も死亡災害が多いという状況が続く


▼7月1日~7日の全国労働安全週間に伴い、毎年6月~7月に多くの企業や団体が安全大会を開催している。建設業界は前述のような状況から業界全体で取り組みに力を入れており、労働災害撲滅を誓う


▼しかし残念なのは「本年度に入り〇月までは労働災害ゼロを更新していたが、先日とうとう労働災害が発生してしまった」という報告だ。経営者もそこで働く従業員も沈痛な思いにさせられる。働き過ぎが課題となっている日本では、それだけ労働災害の危険に身を置くことになる。人間の注意力には限界があり、長時間労働の是正、週休2日の確保は安全面からも早急に実現しなければならない


▼人間は間違いを起こす生き物という前提に立って安全対策に取り組まなければならない。これには上からの指示だけでなく横の連携も重要になる。ただ慣れてくるとどうしても危機意識は薄れてくる。これまで無事故無違反で作業をしてきても、一度事故を起こせば、会社の存続が危ぶまれる状況に追い込まれることもある


▼労働災害は夏場に多く発生すると言われている。夏本番を迎え、近年は猛暑による熱中症が深刻な問題となっている。特に屋外や狭い空間での作業が多い建設業では対策には十分配慮しなければならない。そのためにも安全対策経費は必要・十分に確保しなければ掛け声だけで終わってしまう。(茨城・TT)


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