コラム

2019/09/06

有給休暇取得の義務化(群馬・KS)

有給休暇取得の義務化


▼4月から働き方改革関連法の施行により有給休暇の取得が義務化された。法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者が対象。年5日までは使用者が労働者の意見を聴取した上で時季を指定して取得させるというものだ。他の産業と同様、建設業にも例外なく適用される


▼ある建設会社の社長は「国は地方建設業のことを全然理解していない。工期がある中で週休2日制に取り組むだけでも大変なのに…」と嘆き節。取材先でも有給休暇取得の義務化について話をするが「有給休暇を取得するため、無理して仕事をこなさなくてはならないので大変」と話す人が多数。一方少数ではあるが前向きに「仕事の効率化を図ることや部署内で仕事を分担するなど協力していくことで対応できるのではないか」と話す人もいる


▼有給休暇取得の義務化は、建設業において問題となっている慢性的な人材不足を解消する転機になるのではないだろうか。有給休暇の取得が促進され、若者の入職率と定着率の向上が期待できる。休日が少ないというイメージのある建設業にとって大きなチャンスなのだ


▼社会の変化に柔軟に対応していかなければ、過去に地球上に存在したが、環境の変化に対応できず絶滅した種があるように会社の存続も危ぶまれるのだ。そのような状況を回避するためにも業界が真に一致団結し、より良い方策を考え、実行していくことが必要になってくるのではないだろうか


▼建設業は、われわれの日常生活における安全・安心を守ってくれる産業の一つ。企業存続のためにも有給休暇の取得が進んでいくことを応援したい。(群馬・KS)


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