コラム

2019/09/07

上司は信じる部下と未来を(埼玉・YM)

上司は信じる部下と未来を


▼まちづくりを協議するNPO法人の会長に話を聞いた。会長は「構想段階から小さくまとまっていたら、結果的に小さいものが出来上がる。やるからにはドデカイ構想を掲げる。誰もがヒト・モノ・カネを投資したくなるような魅力あるビジョンを示したい」と話してくれた


▼自治体職員へのインタビューで「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉を教えてもらった。天台宗開祖・最澄(さいちょう)の言葉らしい。調べると「それぞれの立場でベストを尽くせば、結果的に全体のベストにつながる」という意味だと分かった。個性を抑制し、チームプレーという没個性を押し付けがちな日本社会で、心にしみる言葉となった


▼学生時代、飲食店のアルバイトを経験した。約1年間在籍したが、店長が3回変わった。3人は運営も教育も方針が違った。しかしスタッフを駒扱いし、信頼関係を築けていなかった点は共通していた。結果、スタッフが辞め、店の雰囲気が悪くなり売り上げが落ち、店長はまた替わる


▼プロ野球で、成績が上がらない選手を辛抱強く使い続ける監督がいる。解説者やファンから何を言われようが、頑(かたく)なに起用し続ける。監督は「選手には活躍できる素材があり、経験を積ませたい」と言った。目先の勝ち負けではなく、将来を見据えたチーム構想のため、選手の素質を信じて疑わない


▼リーダーは、現在ではなく未来のビジョンを部下に示すことが仕事だ。そして部下の素質を見抜き、信じることが肝要となる。上司と信頼関係を築いた部下は自然とベストを尽くし結果を出す。それぞれのスタンドプレーを信じることが最高のチームワークを生むのだから。(埼玉・YM)


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