コラム

2019/09/10

ダムカレーの可能性(東京・KK)

ダムカレーの可能性


▼ダム見学が大人気だ。迫力ある巨大構造物の魅力はもちろんだが、ダムの放流、ダムカードの収集、ダムカレーを食べるなど観光地としての魅力がそろっていることも大きな理由だろう。近年はダムツアーも充実してきており、海外からの旅行者を含めて今後も人気は続くはずだ


▼東京勤務となって以来、ダムを訪れる機会がほとんどなくなった。当然ながら各地で人気のダムカレーは食べたことがない。ダムの姿をルーとご飯で表現し、重力式からアーチ式、フィルタイプなど種類も多く、それぞれに趣向を凝らしている。ダム見学を兼ねて有名なカレーを食べに行く計画を立てるも残念ながら実現していない


▼そんな思いが通じたのか、初夏の国土交通省地下食堂に「国土交通省ダムカレー」が期間限定で登場した。ラーメン用の丼の中には少し固めに炊き上げたアーチ式のご飯がそびえ立ち、ダム湖に見立てたルーの湖面には小さくカットされた具材が浮かぶ。なかなかの完成度に思わず感心した


▼聞けばダムマニアの助言を受けて完成させたとのこと。ルーは比較的さらっとしており、白米で強固に建造された壁を崩しながら、カレーの放流を楽しんだ。8月上旬に開かれた「こども霞が関見学デー」の日にも再び登場し、うれしそうに食べる子どもの姿にダムカレーの人気の高さを垣間見た


▼ダムは河川に設置されるものだけではない。例えば人知れず地すべりや土砂災害から安全を守る砂防ダムは、地味ながら重要な施設だ。砂防ダムに守られる地域の食堂などが砂防ダムカレーを売り出しても面白い。ダムカレーはまだまだ可能性を秘めている。(東京・KK)


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