コラム

2019/09/25

レトロの味を楽しむ(茨城・TI)

レトロの味を楽しむ


▼通勤でいつも歩く道の途中に公衆電話がある。テレホンカードを持たなくなって久しく、公衆電話を使ったことは数えるほどしかない。携帯電話やスマートフォンで事足りている。それでもその公衆電話の前を通ると、使っている人をたびたび見掛ける。充電不足や置き忘れなどで携帯電話が使えなかったのかもしれない。公衆電話もまだまだ必要とされている


▼調べてみると、現在の公衆電話の設置台数は全国で約16万台、最盛期の5分の1程度。携帯電話などが若者からお年寄りまで幅広い世代に普及したのが要因だという。考えてみれば、一人暮らしを始めてから固定電話すら自宅に置いたことがない。全て携帯電話で済ませている。一方で携帯電話などと比べて公衆電話は災害時につながりやすいことから、緊急連絡手段として重要な役割を担う。ただ、近年は公衆電話を使ったことがない子どもも多いと聞く


▼先日ふとした折に2Kテレビを購入したが、実家にはいまだにブラウン管のテレビが置いてあることを思い出した。残念ながら片付けていないだけで、使っているわけではない


▼ブラウン管をはじめ、ビデオテープ、ラジオカセットレコーダー(ラジカセ)、ミニディスク(MD)など、一世を風靡(ふうび)した製品は、いまではすっかり見る機会が減った。公衆電話に限った話ではない


▼逆に自分より上の世代も、そのまたさらに上の世代も、延々と品は変われど同じことを感じていたはずだ。勘違いしてはいけない。たとえ使わなくなった古い物でも、あると助かる場面は意外と多い。たまにはレトロの味を楽しむのも悪くない。(茨城・TI)


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