コラム

2019/10/12

豚カツ定食とかつ丼(埼玉・YM)

豚カツ定食とかつ丼


▼どこの県庁付近にもさまざまな料理屋があり、昼過ぎには多くのビジネスマンでにぎわう。よく行く定食屋で疑問に思ったことがある。メニューを見渡せば豚カツ定食、かつ丼、かつ煮定食がラインナップされているのだ。雑に言えば、前出の3料理は胃袋に入れてしまえば、どれも同じ料理と言える


▼しかし豚カツ定食は、かつ丼とは違い、豚カツとご飯を別々に食べるため、それぞれの味が楽しめる。つまり、それぞれに独自性があると言える。料理は食材と食材の組み合わせで出来上がる。カレーを見て、ジャガイモ・ニンジン・肉・玉ねぎのスパイス煮込みと言う人はいない


▼料理に限らず、会社組織や建築物、家族など全ての事象は、何かしらの集合体によって形成されている。そして持ち得る材料を巧みに組み合わせ、時と場合に応じた姿かたちに変化させ、さまざまな状況に対応する。かつ丼が嫌いでも、豚カツ定食なら食べられる人もいる


▼また、それぞれの料理が成立する要件は食器と材料にも左右される。かつ丼なら、蓋(ふた)付きで深めの食器が欠かせない。食材と食材を一体化させる卵も忘れてはいけない。組織でいうならオフィスであり社則だろう。建築物なら、設計と施工に当たる


▼食材は組み合わせによって、さまざまな料理に変化する。どのような組み合わせが組織の力を今以上に発揮できるのか、どの組み合わせが素晴らしい建築物を生むのかは、常に勉強していかなければならない。一方で人間が関わる以上、どうしても相性が合う合わないといった人間関係の問題も出てくる。それぞれの相性を見極め、最適化を図りたい。(埼玉・YM)


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