コラム

2019/10/17

新聞記者の使命(群馬・TH)

新聞記者の使命


▼妻が入院することになった。土曜日の朝、急に湧いた話で、パニック気味。混乱する頭の中を整理しつつ、やるべきことを順番に進めた。入院の手続きや準備、治療方針の相談など。病院関連のことが終わってから気が付く。間もなく2歳になる息子をどうしよう


▼市役所のホームページを見ると、一時預かりや短期入所に対応してくれる施設があるとのこと。自宅と職場、病院の位置を考えて決めた保育所に電話するが「現在、受け入れ枠がいっぱいで対応できない」との返事。第2、第3と候補施設に問い合わせを続ける


▼10件以上の施設に電話したが連敗。寝息を立てている息子を見ながら途方に暮れた。日々の報道で保育所不足や待機児童の問題があることは知っていた。知ってはいたが、実際に直面するとその現実の重みは増す


▼子連れ狼よろしく、子連れ記者として現場を回ることを考えていたところ、救いの手が差し伸べられた。一度は断られたこども園が「人員を割いて対応する」と連絡してきてくれたのだ。その日の夕方に園に出向いて説明を受け、月曜日から登園することができた。こちらの事態の緊急性を考慮して、柔軟に対応してくれた園のスタッフに深く感謝したい


▼今回の出来事を通じて、新聞記者として業界の問題を当事者の目線に立って伝えることの重要性を考えさせられた。官民問わず、関連するさまざまな立場の人から話を聞き、多角的な視点で問題解決への糸口を探る。ただ事実を並べるだけでなく、多くの声を取り入れた記事で、問題を当事者以外の人にも知ってもらうことが、解決への第一歩になる。(群馬・TH)


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