コラム

2019/10/19

トイレで世界をけん引(茨城・TT)

トイレで世界をけん引


▼2010年ごろ植村花菜さんの「トイレの神様」という楽曲がヒットした。トイレをきれいにすると美人になるという、植村さんと鹿児島県沖永良部島出身の祖母との思い出の会話を歌った、ほのぼのとしたメロディの曲だ


▼家の中で最も「清潔さ」にこだわる場所としてトイレを挙げる人は少なくない。日本人のトイレに対する扱いは「まるで神格化されているかのようだ」と感じる外国人もいると聞く


▼世界文化遺産として屈指の人気を誇る安芸の宮島・厳島神社のトイレが8月1日にリニューアルオープンした。観光客数が年々増加する一方で、トイレの数の不足や外国語の表示が不十分という課題を抱えていた。そこで、地元の広島県廿日市(はつかいち)市役所とトイレメーカーのTOTOがパートナーシップに基づき、官民協働で「TOTOおもてなしトイレ」の整備に取り掛かった。施設にはトイレ機能のほかに観光案内や休憩スペースなども設置され、トイレと名が付いているものの機能は複合施設だ


▼国でも男女ともに働きやすい環境づくりの一環として、快適に使用できる仮設トイレを「快適トイレ」と名付け、16年度に土木工事から導入を始めた。最近では茨城県土木部が発注する工事の中にも「快適トイレ普及促進工事」が対象となっている案件も多く見られるようになってきた。時代は着実に動いている


▼安全や衛生面に配慮することはもちろんのこと、利用者のニーズもさまざまで多岐にわたる施設。トイレがきれいであれば、施設全体のイメージアップに直結する。ハード・ソフト面ともに世界をリードできる日本でありたい。(茨城・TT)


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