コラム

2019/10/29

次世代の技術と中小企業(新潟・KW)

次世代の技術と中小企業


▼新聞やテレビで「5G」という言葉を目にすることが増えた。次世代通信規格の名称で、国内の大手通信事業者は2020年度の本格的なサービス開始に向け準備を進めている。現行の4G回線に比べ通信速度が圧倒的に向上することが大きな特徴だ


▼20年ほど前、父がパソコンを買い替えることになり、それまで父の専用機だった古いパソコンが実家の居間に置かれた。インターネットを使うにはダイヤルアップ接続が必要だった。固定電話の回線を使うので、家族が電話を使っていると接続ができない上、画像一枚見るのに数十分もかかった。その間も通信料(通話料)が加算される。速度はアナログ回線で最大56kbps、現在のスマートフォンで速度制限の状態にある時のさらに半分の速度だった


▼その後、ADSL(非対称デジタル加入者線)が登場し、劇的に通信速度が上がった。5Gの登場は、そのダイヤルアップからADSLへの進化と同じくらい衝撃的なものになるそうだ。速度は10Gbps(1048万5760kbps)以上になる見通しで、映画1本ならダウンロードに必要な時間はわずか2~3秒だ


▼通信技術の進歩により建設業界も変化する。ICT施工では、本年度から法面吹付や浅層・中層混合の地盤改良工、付帯構造物設置工への活用が始まった。20年度には港湾での基礎工事やブロック据付のほか、舗装の修繕工事にも活用を拡大する


▼人手不足が業界の課題となる中、ICT施工に対する期待は大きい。一方、地方では導入費用に戸惑う中小建設業者の声も聞こえてくる。その切実な言葉にこそ耳を傾けていく。(新潟・KW)


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