コラム

2019/10/30

本当の仲間は困った時に(埼玉・YM)

本当の仲間は困った時に


▼今シーズンの阪神タイガースはペナントレースが3位。日本シリーズ出場をかけたクライマックスシリーズではファーストステージを勝ち抜き、健闘した。近年は勝率5割を超えることが多く、波に乗ると手の付けられない球団として認知されている


▼阪神のような人気球団にも暗黒時代と揶揄(やゆ)されるほど、弱小だった時代がある。1987年から2001年までに最下位を10回経験しており、まさにどん底の低迷期を味わった。1985年に日本一を達成した熱狂が「夢だったのでは」と思った人もいただろう


▼球団の負けが続くとファンの足は次第に球場から遠のいていく。一部の阪神ファンも例に漏れず、球場で応援することをやめた。しかし大半のファンは、負けが込んでも球場で応援し続け、叱咤(しった)激励を絶やさなかった


▼漫画ドラえもんで、のび太が「本当のファンなら、落ち目の時にこそ応援しなくちゃ」とつぶやく場面がある。「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉があるように、調子がいい時は周囲に人が集まりやすい。逆に不調の時は離れてしまう。不調の時に共に励ましたり頑張ってくれたりする人が本当の友達でありファンだと感じる


▼建設業界はどうだろうか。公共工事は土木費が年々減少し、工事量確保が難しくなってきている。民間工事にしても前年比で減少傾向だ。また事業継承、人材確保など課題も多い。大手企業は好調のようだが、地元の中小建設業者は苦しい経営状況が続いている。もしのび太が建設業界にいたら「本当に業界の将来を思うなら、苦しいときにこそ応援しなくちゃ」とつぶやくのではないだろうか。(埼玉・YM)


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