コラム

2019/11/01

その矜持に感謝を(山梨・OS)

その矜持に感謝を


▼ただ、人のために。ときには損得勘定を超えた気持ちの上に豊かな生活は成り立つ。道路を守る業者もそう。手間ばかり掛かり誰もやりたがらない仕事。でも住民が困るから請け負う。千葉県に集結した電力関係者も「助けたい」気持ちで動いてくれたのだろう


▼台風で停電になったことで住民は当たり前の生活を失った。一時的な停電はあっても数週間にわたるというのは記憶にない。東日本大震災の計画停電でさえストレスを感じた。今回はそれ以上だろう


▼しかしそれを全て東京電力のせいにするのはどうか。無論設備が壊れなければ、こうした事態にはなっていないが、それは人が造ったもの。自然の猛威全てに対処することが難しいことは近年の災害をみれば分かる。あらゆる地域に万が一の場合の代替ラインを敷けるはずもない。仮に巨額を投じて敷いたところで、それが壊れる可能性もある


▼停電直後、東電が倒壊した電柱の数などの被害状況を正確に答えられなかったことを非難する声があった。ただそれは、すぐに状況が把握できないほど被害が広範囲に及んだということ。復旧時期が定まらなかったのも、森林が絡む地域での大規模な作業に工期の予測が難しかったのだろう


▼東日本大震災以降、多少なりとも東電への不信感はある。それでも昼夜問わず復旧に当たってくれた関係者には感謝しかない。1日も早く元の生活を。その思いで複雑に絡み合う送電網の復旧に必死に力を注いでくれた。他地域の電力関係者も駆け付け全力で復旧に当たるその姿に何の文句があるだろう。また当たり前の生活に戻れる。電力関係者にありがとう。(山梨・OS)


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