コラム

2019/11/06

大きな土台を考えたい(埼玉・UT)

大きな土台を考えたい


▼足腰、基礎、土台。これらは一般的にしっかりしている方が良いものとされている。例えば台風の被害で建築物が倒れた場合「基礎はしっかりしていたのか」などが検証される。また勉強やスポーツでも「基礎ができていないと後で苦労する」といった言い方をすることがある


▼2018年12月に水道法が改正された。直前、直後に「水道民営化反対」といった報道が多かったように感じるが、ピークは過ぎたような気配もある。法改正は主に市町村が経営している水道事業の基盤を強化することが目的で、手法の一つに官民連携が明確化された


▼民営化、官民連携に比べて取り上げられる機会が少ないのが、実は基盤強化策の柱として位置付けられている広域化。ただ「広域化こそ待ったなしの課題」と考えている自治体職員もいる


▼人口減少で料金収入が減る、そして施設のメンテナンス費用が増えるとなれば、多くの場合、行き着く先は水道料金の値上げだろう。少しでも緩和するために、広域化してスケールメリットを生かす、土台を広くして経営することは有効な手立てとなる


▼水道事業の民営化、官民連携について関連企業に話を聞くと「小さな市町村が単独で民営化しても民間からすると魅力はない」という。極論すると広域化して土台が広くなって初めて、民間も参入の目を向けるということだろう。小規模自治体で民営化を恐れることは、いらない心配かもしれない。多くの市町村が水道事業の単独・直営を堅持し、結果として料金が上がる近未来は想像したくない。料金を払う住民のためにも、土台を大きくする検討を深めるべきでは。(埼玉・UT)


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