コラム

2019/11/13

大人も求められる心得(群馬・YY)

大人も求められる心得


▼「おかし」に最近は「もち」も付くらしい。おやつの話ではなく災害避難時の心得を略したもの。「おさない、かけない、しゃべらない、もどらない、ちかよらない」の5つを小学校の避難訓練で習ったという方も多いかもしれない。東日本大震災以後、このような学校での防災教育が注目を集めている


▼先日所用で新潟県糸魚川市を訪れた。糸魚川と言えば2016年12月に発生した市街地での大規模火災が記憶に新しい。わずかな不注意から出た小さな火は季節風の影響を受け、30時間に渡って街をなめ尽くした。懸命の消火活動にもかかわらず焼失面積約4万㎡、焼損戸数147棟という未曽有の被害となった。およそ3年が経過し、復興が進む町を歩いてみた


▼糸魚川駅北口から海へ向かうと基礎工事が進む一角にたどり着く。にぎわい創出広場と名付けられ、200tの防火水槽が埋設されている。周辺には真新しい住宅が立ち並び、3月には復興住宅も完成している。木調で温かみを感じる外観でありながら、防火性能も備える木造準耐火構造の建物だ


▼市が運営する復興まちなか情報センターに立ち寄った。館内には火災の被害状況、復旧復興の過程を記録した写真などの資料が展示されている。職員の方によると開館以来、防災や福祉関係の職に就く人たちが多く来場しているとのこと


▼糸魚川の町は過去にも数度大火に見舞われている。防火帯として拡幅整備を進めてきた道路は16年の火災で類焼を食い止める役割を果たしている。過去の災害を知り、得られる教訓は多い。子どもだけではなく、大人も防災への学びが必要になってきている。(群馬・YY)


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