コラム

2019/12/06

みんな等しく炭水化物(埼玉・YM)

みんな等しく炭水化物


▼関西人はお好み焼きとご飯を一緒に食べる。お好み焼き定食があるぐらい、庶民に浸透した食べ合わせだ。関東人いわく「ありえない」らしい。理由を尋ねると「炭水化物と炭水化物じゃん」と返答があった。ここで首をひねる。何だか矛盾したような返事だからだ。皆さんも、ここで少し考えてほしい


▼例えば関東のお店でも、うどん・そばセットにはご飯物(ミニ丼、稲荷(いなり)ずし、おにぎりなど)が付く。ラーメン屋のランチを見渡せば、セットに炒飯が付いてくる。どれも一度は食したことがある組み合わせではないだろうか。そして気が付いてほしい、全て「炭水化物と炭水化物」の組み合わせであることに


▼関西はお好み焼き、たこ焼きなど粉もの文化が浸透し、庶民に広く愛されている。粉ものは、いわば関西の味と言っても過言ではない。関東では見かけない組み合わせを「ありえない」と切り捨ててしまうのは、何とも乱暴な話だ。知らないから受け入れないでは、進歩が途絶えてしまう。何事も挑戦して得た経験は貴重な財産になる


▼関西と関東という二項対立は一つのネタ話でもあり、本気の部分もある。例えばうどん・そばのつゆの色、鰻の背開き・腹開きなど、互いの違いを挙げれば際限がない。「どっちが美味(うま)い」ではなく「どっちも美味い」のだから。些細な地域差を乗り越え、お互いの文化を尊重するべきだ


▼対立からは何も生まれない。ヘーゲルの弁証法のように、互いを尊重した新たな文化を昇華してこそ文明人だろう。という訳で、関東の皆さんも「お好み焼き定食、美味いから食べたらええねん。食わず嫌い王はアカンで」。(埼玉・YM)


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