コラム

2019/12/19

体験が変える消費(群馬・YY)

体験が変える消費


▼歳末商戦も終盤を迎えようとしている。新年を前に食食品や日用品などを買い込んだ方も多いのではないだろうか。ニュースで見る都内の百貨店は買い物客でにぎわい、店内の装飾もきらびやかだ。小売業の華とも言える百貨店だが、近年は地方の店舗を中心に不振に陥っている


▼ことし閉店した百貨店は全国で10店舗。また、そごう・西武が2020~21年に5店舗を閉鎖することを明らかにしている。都市部の店舗ではインバウンド需要を背景に売り上げを伸ばすが、波及効果の弱い地方はネットショッピングの台頭や少子高齢化など逆風が吹く


▼ことし大分県別府市にある百貨店トキハ(ときわ)の攻めのリニューアルが注目を浴びた。物販など従来型消費だけではなく体験型消費へ焦点を当て、足湯や劇場を新設。観光地である別府で店を構えるだけに外国人観光客の来店も見込むが、改装後は地元客や若年層の客足も伸ばしている


▼百貨店業界と同様に少子高齢化の影響を受ける建設業界においても、担い手確保へ向け、ICT施工や働き方改革などを進めている。両業界において若者の呼び込みは共通の課題だ。現場見学会に参加し、機器の操作を体験した学生や生徒から建設業のイメージが変わったという話を多く聞く。実際に見て触って体感することは、仮想型社会の進展の中で逆に重要性を増している


▼日常的にネットショッピングを利用している身だが、実店舗へ足を運び、商品を見比べる楽しさは以前と変わらない。五感を駆使し、選び取る。それは技術の進歩を経ても替えがたいもの。まもなくお正月。久しぶりに初売りへ足を運びたい。(群馬・YY)


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