コラム

2019/12/24

令和維新は茨城から(茨城・KS)

令和維新は茨城から


▼ことしも都道府県魅力度ランキングで定席の最下位をキープした茨城県。東日本を中心に各地で甚大な被害をもたらした台風19号直後の10月17日に発表となり、大井川和彦県知事も「被害が広範囲にわたり、深刻な状況になっているタイミングで発表されたことは、被災者の気持ちを考えれば、はなはだ遺憾」と怒りをあらわにした


▼魅力度最下位の要因の一つとして、地元メディアの弱さが挙げられる。茨城は全国で唯一、県域テレビ局が存在しない。在京キー局の番組ばかりで、県内の身近な情報がなかなか入ってこない。先の台風では、那珂川沿岸の水戸市北部や久慈川沿いの大子町で大きな浸水被害があったが、その惨状を知ったのは、台風翌日の夕方だった。当然、真っ先に被災地に駆け付け、奮闘する建設業者の勇姿も知れ渡ることはない


▼思えば学校でも郷土史や県内の文化、経済など地元のことについてあまり教わった記憶がない。これでは地元の良さを知る人が育たず、誇りや愛着も生まれにくい。己の魅力を知らない人が、どうしてそれをPRすることができるだろうか。実際に全都道府県の愛着度調査でも、茨城県民の地元への愛着度は最下位だった


▼そんな中、ようやく明るい兆しが見えてきた。プロバスケットボールチームの茨城ロボッツが、ラジオ放送局である茨城放送の株主となり、メディア改革に乗り出した。地元密着かつ放送エリア拡大を掲げ、将来的にはテレビ局の開設も視野に入れているという


▼「尊王攘夷(そんのうじょうい)」で明治維新の原動力となった水戸から、魅力度1位に向けての〝令和維新〟が今、始まろうとしている。(茨城・KS)


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