コラム

2020/01/07

復興を担い手確保の契機に(長野・EM)

復興を担い手確保の契機に


▼もはや「忘れた頃に…」ではない。山形県沖地震、九州豪雨、台風15号、19号の直撃。昨年も幾多の自然災害に見舞われた。過去5年間の激甚災害の指定状況を見ても2015年関東・東北豪雨など3件、16年熊本地震など4件、17年九州北部豪雨など3件、18年北海道胆振東部地震など4件、そして19年3件と、傷が癒えぬ間に新たな爪痕が刻まれていく


▼平時は見慣れた風景が、差し迫った状況下では光輝くこともある。被災された方々は、重機を携え奮闘する者たちにどれほど勇気付けられたであろう。安全で安心して暮らせる住環境を具現化し、一度(ひとたび)災害が起きれば最前線で復旧に当たる。天変地異のリスクが増している中で、強靱な国土への期待とこれを担う建設産業の重要性は一層高まっていくはずだ


▼地域にとって不可欠な存在である一方、深刻化する担い手不足。官民が共通認識のもと、建設産業の魅力を伝えるための取り組みが活発に展開されている。高校・大学生といった即戦力へのアプローチのみならず、小中学生や園児を対象とした体験学習に見学会。すぐに芽は出ずとも歩みを止めてはならない


▼社会情勢の変化や建設投資の多寡はあれど、決して変わることのない「地域の守り手」という使命。培った技術やものづくりの誇りとともに次世代へつなぐこともまた、建設産業に携わる者が果たすべき役割である


▼災害からの復旧・復興を契機として、建設産業に対する理解がより深まり、一人でも多くの担い手が生まれることを願う。皆さまの思いを紙面にしっかりと刻むべく年の初めにあらためて襟を正す。(長野・EM)


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