コラム

2020/01/22

農業土木施設の魅力発信(群馬・KS)

農業土木施設の魅力発信


▼群馬県には目を引く農業土木施設が数多くある。城下町の風情が残る甘楽町小幡地区には石積みが美しい雄川堰。高崎市には3支線が立体交差する珍しい構造の長野堰用水路がある。しかし農業用ため池や堰、農業用水路などの農業土木施設の多くは住宅地から離れ比較的人目に付きにくい場所にあることが多く印象が薄い。そのような農業土木施設の魅力などもPRしていくべきと感じている


▼周辺の景観と調和した石積み水路が特徴の雄川堰は2014年10月に世界かんがい施設遺産に登録。石積み水路は粘土と石灰を混ぜた土をつき固め、その表面に石積みが施されている。石の配置バランスも絶妙で施工技術の高さがうかがえる


▼長野堰用水路の支線となる3つの用水路の立体交差箇所は、長野堰円筒分水堰から約150m下流に向かったところで見ることができる。円筒分水で分かれた倉賀野堰と矢中堰が並行して流れ、2水路を仕切る側壁上部に上中居堰が流れている。現地まで見に行ってきたが、3つの水路が描く曲線のフォルムが美しい。一見の価値はあると思う


▼農業土木施設はわれわれが日常生活を送っていく上で欠かすことのできない米や野菜などの農産物を生産するためになくてはならないものだ。しかし、建物やバイパス道路、橋梁、トンネルなどと比べると農業土木施設は、なかなか注目を浴びていないという印象がある


▼雄川堰や用水路の立体交差のほかにも特徴のある農業土木施設はまだまだ多い。特徴ある施設を紹介していくことで、一人でも多くの人に農業土木施設の魅力を積極的に発信していきたい。(群馬・KS)


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