コラム

2020/01/29

皆に受け入れられるまで(埼玉・MK)

皆に受け入れられるまで


▼3月に開業を予定しているJR山手線の高輪ゲートウェイ駅が2019年11月16日、報道陣に公開された。同日未明から翌日の午後4時ごろにかけて、隣接する品川駅で線路切り替え工事を実施。その影響で京浜東北線の品川~田町駅間が運休となった


▼JR東日本は今後もホーム拡幅を予定している。開業が近付くにつれ、普段はほとんど縁のない山手線と「高輪ゲートウェイ」という駅について関心が湧いてきた。一風変わった名前の由来も、今更ながら知った次第である


▼18年に駅名を公募し、3つの候補から選ばれた経緯がある。高輪については地理的な背景がある一方、ゲートウェイには時間や空間をつなぐ象徴としての意味が込められているとのこと。それらしい選定理由ではあるが、しっくりこない気持ちも拭えない。インターネットで調べてみたところ、駅名に異議を唱えるブログ記事などが多くヒットした。なかには駅名を変えたらどうか、との意見もちらほら


▼駅名を変えた例は、多くはないが存在する。埼玉県内で思い浮かぶのは、草加市の「獨協大学前駅」。東武鉄道が17年4月に「松原団地駅」から改称した。草加松原団地とは、旧日本住宅公団が1962年に建設した賃貸住宅で、約6000戸を擁するマンモス団地だった。団地はすでに解体されてしまったため、駅は地域の特性を生かす新たな名を授かったというわけだ


▼もちろん駅名変更には関係者の多大な労力、金銭、そして地域住民の賛同が必要となる。そこまでしなくても、高輪ゲートウェイの名前に見合う魅力を持つ駅に育てば誰も文句は言わないはず。(埼玉・MK)


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