経済とともに心の豊かさを（茨城・ＫＳ）

経済とともに心の豊かさを

▼新宿は歌舞伎町で働くホスト16人が、さまざまなゲームで競い合い、優勝者には超高級外車が贈られる―。東京23区域の情報を発信しているテレビ局が昨年１月から３月にかけて放送した番組だが、１年近く経った今でも車はチャンピオンのもとに届かず、タレントの出演料も支払われていない。さらに音信不通だった番組制作会社の担当者は自殺。地方局とはいえマスメディアの信頼性が問われる事件だ

▼栃木県那須塩原市や日光市にある６つの温泉旅館で、同時多発的に無断キャンセルが発生した。予約者は同じ人物。内容は、いずれも１月２日と３日で10人、露天風呂付きなど最上級の客室。ある旅館が２週間前に確認のために連絡を試みるが音沙汰なし。被害総額は２００万円以上に上る

▼皮膚炎、しもやけ、あざなどの治療に使われる医療外用薬ヒルドイドが、乾燥肌や加齢によるシワなど美容に効果があるとして、医者に不正な処方を迫る事例が増えている。中には医療費助成を使って無料で手に入れるために子どもを差し向ける親もいるという。わがままな美容目的の使用者のせいで、本当に病気で苦しんでいる人の負担が増えることがあってはならない

▼通勤ラッシュの朝８時、ある女性タレントが仕事現場に向かうため、乳児を乗せたベビーカーとともに電車に乗った。弱者優先スペースにいたにもかかわらず、会社員と思われる男性が降り際に「邪魔だ」と吐き捨てていったという

▼これらは全て、同じ日のわずか１時間ほどの間に流れたニュースだった。経済的には回復傾向にある日本。これからは精神的な成長が求められている。（茨城・ＫＳ）