コラム

2020/02/27

少し違う使い方(茨城・TI)

少し違う使い方


▼テレビをとんと見なくなった。情報は新聞のほか、パソコンやスマートフォンによるインターネットで得ることが多い。記者の端くれとして、速報性の重要さは承知している。その点において即応できるテレビは強力な媒体だ


▼しかし振り返ってみると、学生のころにかじりついていたテレビ番組は周囲と話題を共有するために見ていた面があったことは否めない。一般論として最近はテレビ以外にも娯楽が増えたため、俗にいう「テレビ離れ」が進んだとも聞く。いまでは何でもパソコンありきだ


▼そんなパソコンに頼りきりの生活だったため、先日パソコンが壊れた際には「この部屋、こんなに静かだったか?」と思ってしまったほどだ。さすがに静かな部屋でやることがない状況が続くのは退屈だった。パソコンの第2画面として使っていた2Kの40インチテレビから無言の圧力を感じる。六畳一間の部屋に対し、勢いで大きな物を買ってしまったと、いまさら後悔する始末だ


▼散歩したり、あてどなく電車に乗ってみたり、テレビをザッピングしたり、あれこれ試行錯誤している中で、ある発見があった。テレビからインターネットにつなげて動画などを見ることができたのだ。こうでもしなければ気付かなかっただろう。見ているものは前と同じだが、少し違う使い方。結局テレビとしては使っていないが


▼そうこうしているうちにパソコンも修理を完了したとの連絡があった。元の生活に戻るが、違った刺激を得られたことには変わりない。電車の待ち時間で、初めて飲んだウインナコーヒーのほろ苦い味も思わぬ収穫だったと覚えておこう。(茨城・TI)


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