コラム

2020/03/05

続けた先に見える魅力(新潟・HT)

続けた先に見える魅力


▼誰もが一度は、今の仕事を辞めたいと思ったことがあるのではないか。現在の仕事と今後の自分の可能性を天秤に掛けたことがあるだろう。辞めたいと思う理由は人それぞれ。結局のところ原因は自分だけにしか分からない


▼トンネル工事の起工式で出会った新人技術者の姿が、1年半ほどの工期を経て貫通式で再び現場を訪ねた際には無かった。貫通の少し前に辞めてしまったそうだ。初めて出会った時には「毎日が充実し、仕事をしていると時間が早く過ぎる」と仕事に前向きな考えを持っていただけに、辞めたと聞いた時には残念と同時に驚いた


▼職場環境か、当初のイメージと違ったのか、今となっては辞職の理由を知ることはできないが、再びどこかの現場で出会うことを願うばかりである。辞めて良かったと思うことはできているのだろうか


▼建設業の魅力には、地図に残る仕事や完成した時の達成感を挙げることがある。いずれも苦労や経験を積み重ねなければならず、すぐには成し遂げられない。だからこそ、成し遂げた時の喜びが大きいのだろう。そこに自分の関わりが大きければ、なおさらである


▼今でこそ売り手市場ではあるが、全ての人が希望した職業に就けるという保証はない。入職時のイメージと違っても、辞めたいと思っても、どんな仕事でも続けていれば仕事の本当の魅力が見えてくる。建設業では週休2日や労務単価の上昇など、就労環境改善の取り組みが進められているものの、十分といえるまでには、まだ時間がかかる。ただ、続けていればトンネルを抜けた先に、必ず魅力が見えてくるはずだ。(新潟・HT)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら