コラム

2020/03/11

担い手に国境はない(茨城・RN)

担い手に国境はない


▼先日、社内で「金魚が成長すると鯉になるんでしたっけ?」と言ったら笑われてしまった。口は災いの元。沈黙は金。不用意な発言は慎もうと心に決めた。検索してみると、同じ思い違いをしている人は案外いるようで、金魚と鯉の違いなどさまざまな情報が出てきた。両者は口ひげの有無で見分けられるとのことだ


▼近年、錦鯉の人気が世界中に広まっている。毎年開催される品評会では、中国、シンガポール、イギリス、タイなど海外のオーナーが出品した鯉がずらりと並ぶ。かつては日本人が多く飼育していたが、池を持つことが難しくなったことなどから勢いが減退。代わりに海外への輸出が増えているそうだ


▼文化や技術が他国の人にも愛され、伝わっていくのはとてもうれしいことだ。伝統工芸などでも海外から弟子入りする例があると聞く。文化や技術の継承者は、自国の外から現れるかもしれない。文化を何とか後世に伝えていきたいと考える人にとっては大きな希望だろう


▼海外から来て日本で働いている人たちは、いまやとても身近な存在だ。例えば、コンビニエンスストアで外国人の店員を見ない日はない。文化や言語の違う職場で働くのはさぞ大変なことだろうが、懸命に働いている姿に頭が下がる思いだ


▼建設分野でも特定技能外国人の受け入れが始まり、現場で姿を見ることが増えていくだろう。帰国して日本の建設技術を伝え、それぞれの国をより一層の発展へ導く人もいるだろう。また、周囲に日本の魅力を伝えてくれるはずだ。日本の良いところや素晴らしい技術を世界中に広めてもらえるよう、温かく接していきたい。(茨城・RN)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら