コラム

2020/03/12

熱のつらさも喉元過ぎて(埼玉・MK)

熱のつらさも喉元過ぎて


▼1月の仕事始めの週に体調が悪くなった。6日から7日にかけて太ももに筋肉痛のような違和感が続いた。7日の午後には倦怠(けんたい)感が全身に広がり、夜に体温を測ると39度5分。おそらく日中も発熱していたのだろう。会社と取材先の往復で、約40kmを運転した自分に感心してしまった


▼熱を出したのは記憶にある限り、2年以上前にかかったインフルエンザ以来。熱が下がらない上、夜中もうなされて寝不足になった。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の言葉のとおり、新鮮な気持ちで熱のつらさを味わった


▼政府が毎年主催してきた東日本大震災の追悼式を、発生後10年となる2021年で最後とする検討を始めたという。被災された方々が集まることで、記憶を風化させない役割もあるだろう。「復興五輪」さえ開催すればひと段落と考えているなら大きな誤りである。被災者の身になれば、生きている限り忘れられないつらさがあるはずだ


▼茨城県出身の我が身を顧みると、被災したころは高校2年生。英語の授業中に揺れが来た。どうせ大したことはないだろうと高をくくっていると、座っていられなくなるほどの揺れが教室を襲う。必死にもぐりこんだ机の足にしがみついた記憶は、社会人になった今でも忘れられない。ついでに、われ先に教壇の下へ消えた担任の姿も脳裏に焼き付いているが、当時の状況では詮なきことか


▼不幸中の幸いで、今回はインフルエンザではなかった。しかし取材では役所や駅へ出向くことが多く、本来なら早期に予防接種を受けるべきだ。くだんのつらさを忘れる前に、時間を見つけて予約の電話をしなければ。(埼玉・MK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら