コラム

2020/03/13

魅力あるまちづくり(群馬・TH)

魅力あるまちづくり


▼群馬県伊勢崎市で景観に配慮した魅力ある建築物や広告物、活動を表彰する景観まちづくり賞の表彰式が行われた。ことしで9回目を数える表彰で、今回の応募総数は過去最大の22件。その中から、建築物デザイン部門3件、屋外広告物デザイン部門1件、まちづくり活動部門1件が選ばれ、記念プレートと表彰状が授与された


▼建築物デザイン部門に輝いた建物はどれも独創的だ。かと言って奇抜過ぎず、周辺と見事に調和している。2件は個人宅で、いつかは自分も住んでみたいと思うような外観となっている。残る1件はガラス張りになっている工場。工場は無機質になりがちだが、洗練されたデザインで他とは一線を画す出来に仕上がっている。どの建物も、一言で表すと「かっこいい」のだ


▼「市民が安心・安全かつ心豊かに生活していくには、まちの景観が非常に重要」と主催者を代表して登壇した副市長は語る。理想的な景観を実現するには、公共の努力だけでは難しく、民間も同じベクトルで取り組む必要がある。景観まちづくりに対する市民と事業者の関心を高めることも目的の一つとなっている


▼調べてみると、まちづくりに寄与した建築物などを表彰する制度は全国各地にある。地区全体を表彰する国土交通省の都市景観大賞をはじめ、東京都大田区や千葉県浦安市、岡山市など。趣向を凝らした建築物がまちづくりに一役買っている


▼ただ造るだけの時代は過去の話となった。今は末永く愛される、丈夫で美しい構造物が求められている。高い意識でものづくりに挑む姿勢が、優れた景観のまちづくりにつながる。(群馬・TH)


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