コラム

2020/03/28

猛威を振るう自然災害(茨城・TI)

猛威を振るう自然災害


▼昨年暮れに河川敷を走っている時のこと。大量のわらや枝などのごみに迂(う)回を余儀なくされた。2019年10月、各地に爪痕を残した台風19号こと「令和元年東日本台風」の災害ごみである。それから年が明け、あらためてその場所を訪れてみると、きれいにごみが無くなっていたのだ。撤去は済んだが泥の跡は残り、元通りとはいえない光景が物悲しい


▼台風19号で通行止めとなっていた山道が復旧したと聞き、見に行ってみると、山林だった場所には土のうが積まれ、崩壊を食い止めていた。倒木などが脇に残されていたが、大人の腰より太い幹が折れており、すさまじい力を感じた


▼那珂川や久慈川の決壊、JR水郡線の落橋、常磐自動車道水戸北スマートインターチェンジの水没など、茨城県内でも多数の被害が出た。新年になってからも自治体や団体の首長のあいさつは復旧・復興の話ばかりだ


▼被災した河川敷内の公園を取材する機会があった。そこを訪れたのは2度目。前回は15年の関東・東北豪雨の時だ。自治体の担当者は「豪雨となれば河川敷内の浸水は免れられない。早急に復旧したい」と話していた。河川敷内の運動場や公園においては浸水対策は難しいのだろう。遊水地ほどの機能を期待するものでもない。今後も「想定外」の豪雨が続くようなら、その在り方を考える必要があるのかもしれない


▼復旧を急ぐ中、今度は新型コロナウイルス感染症が世界的に流行。猛威を振るう災害に休まる時がない。せめて将来を担う子どもたちは健やかに育ってほしい。河川敷の運動公園で白球を追う少年野球を眺めながら切に思った。(茨城・TI)


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