コラム

2020/04/08

入職につなげ離職を防ぐ(埼玉・SW)

入職につなげ離職を防ぐ


▼テレビ番組でお笑い芸人が配管工職人の見習いを体験する企画を見た。番組では「20代で年収1000万円稼げる」とうたっており、その芸人は同番組で、とび職、内装解体工、大工の仕事を体験してきた


▼配管工は狭い場所での作業が多く、冷暖房のない環境で作業を行うので暑い寒いは当たり前で、工期に追われての作業も多いと紹介されていた。「28歳のとき年収1000万円だった」と言う社長は「人間が水を飲む限り、配管工はなくならない仕事だが、半日で逃げ出してしまう人もいる」と話した。蛇口をひねれば当たり前のように水が出るが、そのために働いている人がいることを忘れてはならないと感じた


▼新築住宅の外部配管作業では排水管を埋めて下水管へ接続するため、手作業で穴を掘っていたが、芸人は途中で腰の痛みを訴えていた。新築住宅の内部配管作業で床下配管の際は高さ40㎝と狭く、体の自由が利かずパニックになってしまう人もいるという。1時間半にわたる床下作業を終えて「しんどい。今までの仕事場と別ジャンルのキツさ」と語っていた


▼芸人は見習いとして3日間働き、3万円をもらった。年収1000万円にはほど遠いが、その3万円はお笑いの仕事でもらうギャランティーよりも大切に使うに違いない


▼3月から公共工事設計労務単価が改定された。単価上昇は8年連続で、労働者不足に伴う賃金の伸びを反映し過去最高を更新した。働き方改革が叫ばれる中で人員確保のために魅力ある業界になることは課題。単価の上昇が少しでも入職につながり、一方で離職を防ぐことにつながることが期待される。(埼玉・SW)


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