コラム

2020/04/10

遠隔化進展の行方(東京・KK)

遠隔化進展の行方


▼情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれず離れた場所でも柔軟に働くことができる「テレワーク」を導入する企業が増えてきた。時代の流れもあるが、通勤ラッシュ緩和などの対策として、多くの自治体も積極的な導入を促している。新型コロナウイルスの感染拡大防止対策で、導入せざるを得ない企業もあっただろう


▼本社・支店や営業所等との打ち合わせに、テレビ会議を利用する企業も多い。遠隔地であっても画像や資料を共有し、複数の社員が実際に顔を見ながら意見を交換することができ、出張費用も不要になる。会議に必要なコストと時間を減らす上でも有効な手段となっている


▼建設現場では、国土交通省が段階確認や材料確認、立ち会いを必要とする作業に遠隔臨場を適用する試行を全国展開する方針を決めた。例えば臨場確認のために発注者が車移動で数時間かかっていた場合、移動時間が大幅に削減されるほか、受注者も調整に必要な時間が短縮される。受発注者双方にメリットがあるため、今後も現場実装がさらに進むことは間違いない


▼他にも医療の世界なら遠隔診療、教育の現場には遠隔授業が取り入れられ、遠隔操作による自動運転の技術開発も進む。人間が立ち入ることができない災害や事故の現場では、各種ロボットが遠隔操作で活躍するなど、もはや何でも遠隔でできてしまいそうな勢いだ


▼ところで遠隔の対義語は近接。離れていたのでは分からないこともある。特に人と人との付き合いでは接してみて初めて分かることも多い。「濃厚接触」はしないまでも、近接の触れ合いは今後も必要不可欠であろう。(東京・KK)


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