コラム

2020/04/22

装いの意義とは(埼玉・YF)

装いの意義とは


▼作業服チェ-ン「ワークマン」が面白い試みをしている。さいたま佐知川店は3月19日から、新たなコンセプトストアとしてリニューアルした。午前7時~10時と午後4時半~8時は、現場作業服などプロ仕様の商品をメインとした通常の業態で営業。それ以外はアウトドア・スポーツウエアなど一般客向けの商品を押し出す、「ワークマンプラス」へと様変わりする


▼店内の照明を昼光色から暖色系に、音楽・香りも落ち着いたものにするなど工夫を凝らす。外の看板も切り替わるなど、まさに「変身」といった様相だ。取り扱う商品が変わるわけではないという。さながら、時と場合に合わせて変える人の装いのようなものだ。中身の本質はさほど変わらないことも含めて


▼装いを普段のものから変えることは、新たな魅力の創出につながる。物事が持つ他の側面があらわになるからだろう。いつも制服姿しか見たことのないあの人が普段着だと、なんてことは誰しも経験したことがあるはず


▼学生時代に、夏になると普段の装いから一変して、メタルバンドのTシャツばかり着ている友人がいた。はじめは自分の趣味をアピールするために毎日着ているのだろうと考えていた。だが着ている時のハイなテンションを思い返すと今になって気付くことがある。あれは着ているのではなく「演じて」いるのだと


▼その意味で装いとは、自身の個性を体現するためのものではなく、「今日の自分はこうありたい」と思い行うものなのだろう。家にこもりがちになってしまう今こそ、気分を一新するために自分の装いを見直してみるといいかもしれない。(埼玉・YF)


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