コラム

2020/04/23

寿命60年の転換期(東京・YK)

寿命60年の転換期


▼4月も中旬を過ぎ、各地で桜の花びらが舞う季節となった。ちょうど通勤途中に桜並木があり毎年開花を楽しみにしている。毎日のように通る道なのだが、花を愛でることができるのは約2週間。それ以外の期間は満開の花を楽しみに思いをはせているようなものだ。最近は自分の年齢と重ね合わせ「この満開の桜をあと何回見ることができるのだろうか」と考えてしまうこともあった


▼桜並木の中でも太く大きい重厚感のある2本に今年2月張り紙があり衝撃を受けた。「このソメイヨシノは寿命が迫っており、強風によって枝折れ及び倒木による重大な事故または電線切断による停電等の被害の恐れがあるため、6月頃に伐採を予定しています」


▼ソメイヨシノの一般的な寿命は50~60年程度とされる。全国には樹齢100年を超える古木が数百本あるそうだが、これはかなり手入れされているもの。多くは病気や自然災害により、そこまで生き永らえることはないようだ


▼56年ぶりに予定されていた東京オリンピック・パラリンピック大会が新型コロナウイルス感染症により延期となった。五輪が中止になったことは夏冬合わせて5回あり、いずれも戦争が理由だったが延期は初めて


▼コロナウイルスにより医療体制はひっ迫し、緊急事態宣言が発令された。外出自粛が求められ、飲食業、サービス業や観光業等は瀕死の状態だ。しかもいまだ先が見えない状態。いみじくも前回の東京オリンピック大会の頃に植えられた桜たちがその命を尽きようとしている時期。ある知事は「来年も桜は咲く」と発言していた。今は一日も早い終息を願うしかない。(東京・YK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら