コラム

2020/04/24

思いやりでウイルス撃退(茨城・KS)

思いやりでウイルス撃退


▼新型コロナウイルスが世界の経済、文化、政治などありとあらゆる方面へ多大なる損害を与えている。誰がここまでの脅威となることを予測できたであろうか


▼基本的な感染拡大防止策であるマスクは相変わらず品薄。経済産業省は2月末、マスク生産導入に対する補助を開始。家電、アパレル、化粧品など大手、中小を問わず、異業種からの参入が増えてはいるものの、店舗では見当たらない。ちまたでは、平日の朝からマスクを求めて店舗前に行列をなしており、入荷しても瞬く間に売り切れるという


▼そのため、地域の守り手である建設業はもちろん、医療、福祉、交通といった、テレワークが不可能な労働者に十分に行き渡らないという由々しき事態が生じている。強制力のない外出自粛要請ではもはや限界。政府の布マスク配布は、少しでも第一線で働く人のもとへ届けるための苦肉の策であろう


▼山梨県の女子中学生が手作りのマスク612枚を県に寄付したニュースが話題を呼んだ。臨時休校中、一日で多い時には5時間かけて30枚を製作。何よりも尊敬すべきは、布やガーゼ、ゴムひもといった材料費は全て自身の貯金を使ってそろえたということ。しかも1枚1枚に丁寧な手書きメッセージも添えている


▼これに呼応するかのように、慈愛の精神は広がりを見せている。福井県立高校の野球部マネージャー4人も、社会福祉協議会に100枚を寄贈。茨城県では笠間市の社会福祉協議会に所属するボランティア団体が300枚を市に贈呈した。こういった一人一人の思いやりの心こそ、ウイルスに打ち勝つために最も重要だ。(茨城・KS)


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