コラム

2020/05/09

働く熱気は、下からだ(埼玉・YM)

働く熱気は、下からだ


▼ことしは、建設業界の法律が目まぐるしく変わる1年になりそうだ。3月1日に改正建築士法が施行された。新・担い手3法で言えば、昨年6月14日施行の改正品確法に続き、改正建設業法の目玉となる事項が10月1日から施行される。著しく短い工期の禁止や建設資材製造業者等に対する勧告など、今改正の主要部分が実効力を持つ


▼国土交通省の赤羽一嘉大臣は昨年の就任会見で、働き方改革に向けた「新3K」を目指す意向を示した。働き方改革については近年、声高に叫ばれていることもあり、官民連携で制度面の改善や規則作りが進んでいる


▼法律や規則は、いわば枠組み作りと言える。枠組みの策定や運用は、中央省庁や地方自治体、各企業の社長などが担うだろう。一方で法律だけあっても、環境が改善するわけではない。現場で働く人たちがしっかり認知・理解し、行動しなければならない。どんな素晴らしい法律や規則も、それらを扱う人によって良くも悪くもなり得る代物だからだ


▼建設業界は古い体質のイメージが一般的にあり、実際の現場でも旧体質が根強く残っているのも事実だ。死に直結する危険が伴うからこそ、厳しい環境や口調になってしまうことも仕方がない。しかし「悪貨は良貨を駆逐する」ということわざがあるように、悪習がはびこれば、良い風習が姿を消していってしまう


▼業界改善は法律や規則によるトップダウンではなく、現場から環境作りが進むボトムアップが成功の鍵ではないだろうか。上が熱くても、下が冷めていたら機運は、ぬるくなってしまう。下が熱くなってこそ、上は沸騰するほど熱く、持続する。(埼玉・YM)


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