コラム

2020/05/19

失敗を笑い飛ばす(新潟・HT)

失敗を笑い飛ばす


▼しばらく前から消せるボールペンを愛用している。通常のボールペンと比べて多少価格は高いものの、修正時にグシャグシャ書き潰すよりも跡がきれいで読みやすい。摩擦熱で透明になるインクを使用している仕組みだ


▼先日、異動した上司と久しぶりに会い昔話に花が咲いた。出てくる話題といえば、こちらが面倒をかけた失敗談ばかり。毎回、話に尾ひれだけでなく背びれと胸びれが付いてくる。今となっては笑い話だ。いやいまだに話題に出るということは、上司は相当根に持っているかも知れないが


▼前年度で定年退職を迎えた自治体の部長が、議会の常任委員会で退任のあいさつを求められた際に出てきた言葉は、災害時に無力だったこと、亡くなった犠牲者のこと、これまでに自身ができなかったことなど悔いが残る話ばかりだった。謙遜もあるだろうが部長が課長、出先事務所の所長時代から、さまざまな事業を先頭に立って成し遂げてきたことをその場の皆が知っている。それゆえの所属の長である。あいさつ後には議員、職員から長年の労をねぎらう拍手が沸き起こった


▼これまでの仕事をあらためて振り返ると、真っ先に思い出されるのは、うれしかったことや栄光よりも、失敗や苦い経験が多い。中には思い出したくもない出来事もある。失敗や後悔を消して、もう一度最初からやり直すことができれば、といつも考える


▼だが過去の過ちや失敗も全てが経験であり、今の自分を構成する大切な要素の一つである。これからの未来に何が起こるかは分からないが、過去の失敗の多くは、いつかは笑い話に変えることができるはずである。(新潟・HT)


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