コラム

2020/05/26

友人の知人は他人(東京・CK)

友人の知人は他人


▼災害などが発生すると身内や友人から多くの情報がSNSで送られてくる。有益な情報が数多くある中で「知り合いの看護師から」とか「友人の知人によると」などといった、出どころがあやふやな情報もあった


▼昨今の情報化社会において曖昧な情報や悪意のある情報、いわゆるデマをキャッチする場面は多く、トイレットペーパーの売り切れなど一部では社会問題にまで発展する事例も少なくない


▼真実よりデマがいち早く広がってしまうのは、デマはセンセーショナルで覚えやすいため伝達スピードが早く、真実は難解で淡々としているため伝達スピードが遅いからだと言われている。また、自分が有益だと信じた新情報は、誰かに教えたいという善意の気持ちが生まれてしまうそうだ。このセンセーショナルで有益だという感情と善意の気持ちにより、デマは瞬く間に拡散してしまうのだ


▼デマは一度拡散すると姿を変えていくこともあり、全ての情報を回収するのは不可能だ。自分の信じた情報をデマだと指摘されても、指摘を受け入れるのが困難な場合もあり、間違った情報を真実だと信じてしまう人もいる。真実ではない情報を伝えてしまうと、自分自身がデマの拡散者となりデマに加担してしまう。自分が得た情報を信じたい、その情報こそが全てだという気持ちも理解できるが、それは危険な状態だと言えるのだ


▼情報は時には人を陥れる武器にもなる。友人の知人は他人だ。他人からの情報を単純に信じるのではなく、一度立ち止まり、情報の危うさや情報の正確さを確認することが大切になるだろう。(東京・CK)


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