コラム

2020/05/29

独特のセンスに光あり(新潟・TH)

独特のセンスに光あり


▼長いゴールデンウィーク中「今日何が食べたい?」と聞き、その都度「なんでもいい」と何回言われただろうか。ほぼ家にこもることになったことしの大型休暇。大変だったのは「3度の食事」


▼凝った料理を作ったのは数える程度であったが、こんな機会だからと普段作ったことのないアジアン料理を作ってみたところ「独特の味」の一言で終わった。毎日の食卓はシンプルに、また食べたくなるおふくろのような味が喜ばれる


▼そんな時、見つけたのがモデルやタレントとして活躍する滝沢カレンさんの「カレンの台所」だ。通常のレシピ本とは一線を画し、独特の言葉のセンスで爆発的人気を呼んでいる。一般のレシピ本であれば必ずや書かれているはずの調味料の分量がこの本には一切出てこない。その代わりに作り方や分量が独特な表現で書かれているのが特徴だ


▼例えば、唐揚げのレシピの中では「子どもの頃に集めたガチャガチャくらいのサイズで(切る)」「お醤油を全員に気付かれるくらいの量」「二の腕気にして触ってるくらいの力で鶏肉をさらに最終刺激」「きゃぴきゃぴ何も言わなくなったら出してくれの合図」などと言った表現でつづられている。言葉のチョイスが面白いので、レシピも印象に残る。また一見分かりにくいようにも思われるが不思議なことにこの世界感が心地よく、料理が楽しくなる


▼時に人と違うことは非難されがちだが、自身が大切にしている価値観やアイデンティティを感じられる方が人間らしく魅力的に感じることもある。多用性の現代、独特な味、いやセンスに光があるのかもしれない。(新潟・TH)


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