コラム

2020/06/03

日々の生活にスパイスを(山梨・HI)

日々の生活にスパイスを


▼枝豆を育ててみたい。ある日の晩酌中に思い立つ。室内栽培キットを購入し、枝豆君との生活が始まった。芽はまだ出ないが今から収穫が待ち遠しい


▼新型コロナウイルス感染対策で、密閉・密集・密接の3密を避けるべく、外出自粛が求められる中、催し事を示すカレンダーには延期・中止の文字が上書きされていく。これまであった娯楽が急に消えたとき、何をしたらいいか分からなくなる。もどかしさを感じつつも、世間では気晴らしで自作料理に楽しさを見出す人が増えている


▼芸能人では生配信を行う人が続出。小さな画面に映り込むカーテンや壁の色、普段着などは注目の的で、俳優の木村拓哉さんの手洗い動画では洗面所が自宅のものかどうかで話題を呼んだ。たとえささいな情報であっても、謎に包まれていたものが解禁されたときの高揚感と新鮮さは取材と通ずるものがある


▼とある建築会社は市役所に窓口用の手作りのついたてを寄贈している。現物を見ると、これまでのビニール仕切りより見栄えがきれいで、飛沫(ひまつ)感染の予防性能も向上した。製作者に話を聞くと「何かできることはないか」と思い立ったが吉日。休日の外出自粛中に、大工職を生かした楽しみを見出していた


▼少し前にオンライン飲み会をやってみた。普段からよく集まるメンバーの中に学生時代以来、目にする友人がいた。事態終息の基準がはっきりとせず、自粛要請は今後も続くかもしれないが、退屈な日常もささいなことをきっかけに一変することもある。その夜、久しい友人が野菜栽培にはまっていることを知る。買ってきた枝豆を手にふと思った。(山梨・HI)


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