コラム

2020/06/05

スピード感持って整備を(埼玉・SW)

スピード感持って整備を


▼昨年の台風では堤防決壊や道路崩落、電柱倒壊、落橋など各地に甚大な被害をもたらした。新型コロナウイルスの影響で当時の意識が薄れている感があるが、今年もいずれ台風シーズンがやってくるので、着実に復旧・復興の道筋を付けなくてはならない


▼関東地方整備局は4月から、3つの河川系事務所を設置した。茨城県常陸太田市に久慈川緊急治水対策河川事務所、さいたま市に荒川調節池工事事務所を新設。また、群馬県長野原町には利根川ダム統合管理事務所八ッ場ダム管理支所を配置した


▼久慈川緊急治水対策河川事務所では、久慈川水系久慈川の堤防整備など緊急治水対策プロジェクト等の取り組みを推進。荒川調節池工事事務所は、荒川中流部で新たに第二・第三調節池の整備を推進、治水安全度向上を図る。八ッ場ダム管理支所では、昨年完成した八ッ場ダムを安定的に運用するため、首都圏を含む下流地域の治水・利水の管理を行っていく。昨年の台風19号の被害を軽減した八ッ場ダムの効果は計り知れない


▼本来ならば、事務所設置は一つの節目であり、盛大に開所式が行われてもいいと思うが、今年は粛々と行われた。それぞれの役割を担うため、新たな気持ちで事業が進められることになるだろう


▼昨年のような被害を繰り返さないためにも、また新たな被害を軽減するためにも、堤防決壊箇所や崩落箇所の道路の復旧・復興はスピード感を持って取り組むことが求められる。公共事業の重要性を再認識してもらう機会にもなる。一方で、現場でクラスターが発生しないよう、3密にならない配慮も必要だ。(埼玉・SW)

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