コラム

2020/06/09

偉大な先達に学ぶ(群馬・YT)

偉大な先達に学ぶ


▼すっかり暖かくなり、庭先や駐車場などで小さな虫を見かけることが多くなった。これからさらに暑くなっていくにつれ、さまざまな虫の姿を見ることができるだろう。特に注目してしまうのはクモの巣。誰かに学んだわけでもなく本能だけであのような幾何学的で美しい模様をなぜ描けるのか不思議で、先日もついまじまじと見てしまった


▼思い返すとハチやアリなど虫には優れた建築家、技術者が多いといえるだろう。日本に広く分布するクロナガアリは4mもの深さで巣をつくる。日本には生息しないが、高さで言えばシロアリの中には5m以上のアリ塚を建設する種類も存在し、その内部でキノコ栽培まで行うという


▼単純に比較はできないだろうが、4㎜程度のアリが4mの巣を作るというのを人間に例えると170m程の深さまで掘るということ。日本一のモグラ駅と呼ばれるJR上越線の土合駅が地下70mに位置していると考えるとすさまじい。さらに、設計図書や現場監督なしに成し遂げる技術力の高さには脱帽だ


▼一番古いものでは1億年前の化石が確認されており、土木・建築においては人間とは比較にならないほどの経験を持つ。キノコ栽培という農業まで行っているとなれば、驚かされるばかりだ


▼人間は虫に限らずで偉大な先達である自然にさまざまなことを学んできた。有名なのはハニカム構造だろうか。名前はハチの巣が元になっており、正六角形構造のものを指す。相手はいずれも億単位の年数でしのぎを削り、生き残ってきた大ベテラン。たまには足を止めて、働く姿を見て学ぶのはどうだろうか。(群馬・YT)


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