コラム

2020/06/23

地名に込められた思い(茨城・RN)

地名に込められた思い


▼茨城に移り住んで1年半が過ぎた。慣れるまでに苦労したのがなじみのない地名だ。まず県東を意味する鹿行(ろっこう)地区。続いて行方(なめがた)市。思わず「ホワイ茨城ピーポー!?」と叫びたくなってしまった。また鹿嶋と笠間、古河と五霞は音だけ聞くと初心者には紛らわしく、電話の応対で戸惑ったことも。いまでは笑い話だ


▼運転中にも地名の標識を見て思わず「何て読むの?」と気になってしまう地名に出会うことがある。木葉下(あぼっけ)町(水戸市)、随分附(なむさんづけ)(笠間市)、部室(へむろ)(小美玉市)など。「どうしてこの漢字の組み合わせでそのような読み方になるのだろう?」という疑問から、その歴史まで気になってくる。地名の由来を知ると、その土地により親近感が湧くものだ


▼水戸市に旧6号と国道50号バイパスが交わる「サントル千波」という交差点がある。さながらサッカーチームのような名前だな、と印象に残った。同名の建物などは存在せず、どういった由来や経緯で付けられたのか、「サントル」とは何なのかと興味が湧いた


▼周囲の人に聞いても謎は解けなかったので、図書館で調査してもらった。その結果、サントルは「中央、中心」を意味する「センター」のフランス語読みであることが判明。県庁が近くに移動してくることなども含め、千波立体交差点を中心とした街の発展を願って付けられたらしい


▼交差点の名前一つとっても担当者が頭を悩ませて決めたであろうことが分かる。道路や橋梁をはじめとするインフラは、構想から完成まで多くの人が関わっている。それぞれが込めた思いを忘れずに、後世に伝えていければと思う。(茨城・RN)


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