コラム

2020/07/31

あなたの健康が創る未来(埼玉・MK)

あなたの健康が創る未来


▼職場が入るビルの隣で街路築造工事が進んでいる。書類を手に打ち合わせをする人々や、動くバックホウを見守る人も、みな必死に働いている。職種によっては就業時間の約8時間、ほとんど立ちっぱなしの場合もあるかもしれない。わが身を振り返れば、昼休みを含む9時間の大部分を座って過ごしている。どちらが健康かという話ではない。いかに体を休めるかが大切なのだ


▼体が資本とはよく言われるが、意識する機会は多くない。むしろ、体調を崩して初めて思い出されるのが常である。疲れがたまっていると、ふとした拍子に違和感を感じる。視界がぼやけたり、消化器に不快感を覚えるなどさまざまだ。ここ最近で、その両方がわが身を襲った


▼会社勤めの日本人が8時間労働を始めたのは101年前からと言われている。28年後の1947年には労働基準法で明文化され、公的なルールとなった。興味深いのはその内容で、最大で1日8時間・週40時間の労働時間を定めている点だ。いまでは多くの会社が8時間労働制を取り入れているが「なぜ上限である8時間いっぱい働くべきなのか」という問いを投げかける人はまれだ


▼労働時間の上限はともかく、働く側としては休息を大事に、という主張を拡大すべきではないか。立ち仕事に加えて休み不足ともなれば、体調を崩すことは必至。個人の時間が圧迫されれば、しわ寄せは食事や睡眠時間にいく


▼地域の安心・安全の足元に労働者の健康が埋まっていて良いはずがない。社会を支えるのは、あくまで個人なのだ。企業や発注者側は、働き方改革の歩みを止めてはならない。(埼玉・MK)

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