コラム

2020/07/23

晴れ舞台はなくとも(長野・EM)

晴れ舞台はなくとも


▼国土交通省関東地方整備局の優良工事等表彰式典が新型コロナウイルス感染症の影響により取りやめとなった。技術者として、また技術者を育てた企業として大きな誇りとなる表彰。式典は開かれずとも国民に多大な恩恵をもたらす秀逸な成果品が色あせることはない。本紙では例年同様、栄誉をたたえ広く周知する特集を予定しておりますので、受賞者各位には、ぜひご協賛いただきますようお願い申し上げます


▼中学2年になる息子のバスケットボール部の部活動が再開した。新型コロナによる3カ月の自粛。最上級生にとっては最後の大会も中止となった。迎えがてら体育館をのぞくと、以前と変わらず全力でコートを駆ける先輩3年生の姿があった


▼献身的に走り、懸命に相手と競り合う今のプレーぶりからは想像し難いが、この代は、なかなかのわんぱくがそろっていたという。練習嫌い、奔放であった子どもたちは息子の入学と同時に着任した顧問の登場により目覚ましく成長していった


▼バスケの指導に定評があり、地域では名の知れたこの教諭。競技に対する姿勢はもちろん礼儀作法も重んじる。時に激しく叱咤(しった)するさまにドキリとすることもあるが、信頼関係があるのであろう、子どもたちに閉塞感はみじんもない。部活動の負担を含め、教員の長時間労働が社会問題化しているが、熱心な指導をいただき一保護者としてありがたい限りだ


▼集大成となるはずの大会がなくなり、3年生やその保護者、還暦を間近に控えたあの教諭の心中は計り知れない。ただ絶えず走りまくるチームがあり、そこには息子が「大好き」と評する素敵な先輩たちがいた。(長野・EM)


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