コラム

2020/07/29

来る時代の転換点(山梨・HI)

来る時代の転換点


▼学校の工事を取材していると、児童数の減少が深く関係していることが多い。統合を余儀なくされるケースも珍しくなく、思い出の詰まった母校が閉校するのは何ともやるせない気持ちになるだろう。深刻な実情を聞くたびに、1学年が4クラスで編成されていたころが脳裏に浮かび、時代の移り変わりの激しさを痛感する


▼近年ではプールを撤去して公営・民間施設で水泳の授業を行う自治体が増加している。山梨県内でも検討中の自治体はあり、学校からプールがなくなる未来が現実味を帯びてきた


▼校庭でも変化は見受けられる。遊具数は減少し、母校ではよく遊んだ回転塔もなくなっていた。ものさびしい気持ちになるが、コスト面や危険性を踏まえた結果となると致し方ない。「時代の波に乗り遅れないように」というフレーズも、学校の実態を見るとその言葉の重みを感じてくる


▼新型コロナウイルス感染症の影響で働き方の見直しが進み、時代の転換点が差し迫っている。都心と地方の2拠点生活など、今後浸透し得る働き方次第で、環境整備のニーズも変わってくるのだろう。労働形態の一種に「ワーケーション」がある。仕事と休暇を組み合わせた造語で、自然豊かな場所で家族と過ごしながらリモートワークを行うことなどを指す。地方移住を含め、新たな生活様式の台頭が気になる


▼本県では働き方や最適な受け入れ環境などを研究する組織を設立した。学校しかり、時代の変化が未来のハード整備に大きく影響してくる。宿泊業をはじめ、民間事業者では高速通信網の再整備や働く場所の設置などの取り組みが加速するかもしれない。(山梨・HI)

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