コラム

2020/09/03

理想の記者になるために(群馬・TH)

理想の記者になるために


▼自分の記事が掲載された日の朝、その記事の取材先からの着信には肝を冷やす。記事に誤りがあったのではと不安になる。誤報は、報道機関にとって最も犯してはならないミス。情報の誤りは、致命的かつ屈辱的なことだと胸に刻み、日々の業務を行っている


▼文章や数字、名称を間違えるといった注意不足による誤報は、記事を書いた記者や校正できなかった報道機関側に非がある。取材活動で得た情報そのものが誤りだったというパターンもある。十分なウラ取りを行わないことで起こる誤報だ。どんな内容であれ、読者に誤った情報を提供することは、報道機関の過失に当たるだろう


▼正しい情報であれば、何を書いてもよいという訳でもない。基本的に書かないでくれと言われた内容、いわゆるオフレコの部分は書かない。最低限のマナーだ。公共事業において関係者へ説明を行うまで、掲載を待ってほしいと依頼されることもある。事業を円滑に進めるためにも、一定の配慮は必要だろう


▼ただし、報道機関は行政の広報部局ではない。税金が投じられる公共事業において、行政側の都合のみで情報が伏せられることは、知る権利の侵害。担当課などから情報が得られなければ、別の角度から取材する。然るべき立場の人から、事実だと確信できる情報が得られれば、遠慮なく書く


▼読者が求める情報をいち早く提供することは使命であり、記者はそれに対して貪欲でなければならない。加えて、正確に事実を伝える能力も求められる。理想の記者になるために、まずはこのコラムに誤りがないか、穴が開くほど読み返すことにしよう。(群馬・TH)


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