コラム

2020/09/11

求められている生涯現役(埼玉・SW)

求められている生涯現役


▼オートレーサーの安藤定実選手(76歳)が現役を引退した。引退は本人の申し出によるもので、理由は明らかになっていないが、2017年8月のレースで落車し頸椎を骨折。その後、リハビリを続けていたそうだが、18年以降は出走していなかったことから「もう1度、レースを」と思いながらも、志半ばでの引退となったようだ


▼オートレース場は、埼玉県川口市、群馬県伊勢崎市、静岡県浜松市、山口県山陽小野田市、福岡県飯塚市と全国に5場ある。平成生まれの若きトップレーサー・鈴木圭一郎選手、元SMAPの森且行選手、人気女子選手の佐藤摩弥選手はじめ、総勢約400人の選手が日夜しのぎを削っている。オートレースのバイクにはブレーキが付いておらず、スピード感あふれるレースを魅(み)せている


▼安藤選手はレースに5000回以上出走、1着983回、優勝26回をマークした、まさにレジェンドレーサー。数年前には、NHKの全国ニュースでも取り上げられ『剛腕』の異名を持つ。生でレースを見たことはなかったが、熟練された老獪(ろうかい)なテクニックを見てみたかった


▼安藤選手の引退により、現役最年長のオートレーサーは鈴木章夫選手となった。鈴木選手も74歳という高齢ながら、ファンを魅了し続けている。これからも、培った巧みな技をファン・後輩選手の前で見せてほしい


▼高齢化社会の中で「生涯現役」が求められている部分もある。建設業界においても、若年層の入職が渇望される一方で、ベテラン技術者に少しでも長く勤めてもらうことも必要となってくる。そして、そのことが技術承継にもつながる。(埼玉・SW)


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