コラム

2020/09/15

あの時の願いをもう一度(茨城・RN)

あの時の願いをもう一度


▼先日、映画館でスタジオジブリ作品が再上映されていると知り、「もののけ姫」を見に行った。感染症対策のために席を一つずつ空けて座ることで、観客同士のお喋りも一切なく、快適な状態で物語へ没頭できた。作品自体は今までに何度も見ていたが、劇場で味わう映像と音楽は格別だった


▼最初の公開は1997年。当時は親に「見に行きたい、連れて行って」とせがんだが、取り付く島もなく諦めるしかなかった。「見に行ってきた!」と話す同級生がうらやましかったことをよく覚えている。今となっては親の考えも分かるのだが


▼しかし、今回映画を見て思うのは「大人になった今、この時に劇場で見ることができて良かった」ということ。子どもの時に見に行っていたとしても、あまり意味が分からず、十分に映画を味わえなかっただろう。とはいえ、当時の自分はとても悔しかった。念願がかなって劇場で映画を見たことによって、その思いは確かに晴れていき、浄化されていったような気がした


▼誰にでも、子どもの頃にやりたかったことを意に反して我慢したり、諦めたりしたことはあるはず。それを大人になった今やるという試みは、予想以上の効果があった。達成感があり、気持ちがスッキリするので、良いストレス解消法かもしれない


▼ということで、昔を思い出しながら「やりたいことリスト」を書き出してみると「思いっきりお菓子を食べたい」「一日中寝たい」などと煩悩だらけになっていた。羽目を外すタイプの願望が多い。たまにはいいかもしれないが、何事もやり過ぎは禁物だ。そこは大人の節度をもって楽しもう。(茨城・RN)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら