コラム

2020/09/19

暑さ寒さも彼岸まで(新潟・YY)

暑さ寒さも彼岸まで


▼新潟県内は9月の初め、台風のフェーン現象による猛暑日が続いた。40℃を超え9月としての最高気温を更新した地域も出たそのころ、ベランダで育てていたオリーブの鉢植えは葉がすっかり枯れてしまった。並んで置いていた別の品種のオリーブは無事だったので、枯れた方は暑さに弱い種類だったのかもしれない


▼同じ時期、近所で外壁改修が着工。南に面した総3階建ての壁面は200㎡ほどあるだろうか、全面に足場が組まれている。昼間は太陽が雲に隠れない限り、日光が当たり続ける過酷な現場だ。広報車が熱中症への注意を呼び掛ける中、確実に工事が進められていく


▼厚生労働省がまとめた職場における熱中症発生状況(2015~19年)によると、全職種の死傷者数は3477人でうち死者数は108人。業種別では建設業が一番多く死傷者759人、死者46人に上る。死傷者数に対する死者数の割合は全業種で3・1%。業種別で建設業が最も高い6%となり、熱中症により死亡に至るケースが他産業よりも多いことがうかがえる


▼熱中症対策にかかる経費に関して、現場管理費を補正する熱中症対策工事の試行が国以外にも広がりを見せている。熱中症は当人の生命を危険にさらすだけでなく、これに起因した墜落や交通事故が起これば他者にも被害が及ぶ。工事の出来にも影響が出るかもしれない。さらなる気候変動が予測される中、不可欠な対策といえるだろう


▼ようやく過ごしやすい日も増えてきた。しかし一段落するも束の間、次は冬の訪れが待っている。今度は雪との戦いだ。暑さ寒さも彼岸まで―と頑張るしかない。(新潟・YY)

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