コラム

2020/09/24

新しい花火の楽しみ方(茨城・TO)

新しい花火の楽しみ方


▼夏から秋の時期にかけて夜空を彩る花火大会の代表格と言えば、大曲の花火(秋田県大仙市)、土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)、長岡まつり大花火大会(新潟県長岡市)―。日本の三大花火大会とも称されているが、いずれもことしは中止が決定してしまった


▼幼少の時から土浦の花火にはほぼ欠くことなく参加していたが、毎年およそ70万人が訪れ、当日の周辺道路や駅前、会場の混雑を思い返すと昨今のコロナ禍ではそれもやむなしといったところか。素晴らしい花火なだけにやり場のない気持ちが募る


▼つい先日、土浦の夜空に突如大輪の花が咲いた。事前に場所や時間を告知せずに打ち上げられた「サプライズ花火」は、コロナの早期終息と花火業者を支援するものとして土浦全国花火競技大会の実行委員会が企画したものだ


▼見物客を集めない配慮のもと、3分間で75発を打ち上げたサプライズ花火は、短い時間の中でも地域の人々に驚き以上の感動や勇気を与えたことだろう。10月2日にも同規模の75発、11月3日には500発を打ち上げる。インターネットでのライブ配信も行うようだ。感染症予防に留意しながら楽しみたい


▼感染症の流行から約半年。季節感が失われて久しく、生活様式は新しいものに変化せざるを得なくなった。当然、イベントなどは中止続きである。そうした中「多くの人に喜んでもらいたい」「仕事が減ってしまった業者を助けたい」といった心意気を持った行動には感謝しかない。今夏見ることのできなかった花火だが、また違った形で見ることで季節を感じ、終息を願い、来年こその開催を祈りたい。(茨城・TO)


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